矯正歯科は、歯並びの見た目や噛む機能を整える治療法のことです。矯正治療で歯並びが整うと、自分に自信が持て明るくなる傾向です。また、歯磨きがしやすくなるため、虫歯や歯周病の予防効果が期待できます。いっぽうで、矯正治療は治療期間が長くなりがちで、モチベーションが長く続かず、途中で矯正をやめてしまう方もいます。当院では矯正装置を付けたら終わりではなく、矯正中や矯正後の患者様のサポートを第一に考えて、治療を進めていきます。
矯正歯科とは?
矯正歯科は歯並びを整えることで、美しい見た目とバランスの良い噛み合わせの改善が目的です。歯並びが悪い状態を不正咬合(ふせいこうごう)といいますが、不正咬合は歯だけでなく、全身にも悪影響を及ぼす可能性があります。不正咬合には、以下の9種類があります。
- 上顎前突:上の前歯が前に突き出ている
- 反対咬合:下の前歯が前に突き出ている
- 開咬:上下の前歯に大きな隙間がある
- 叢生:歯がいろんな方向に生えている
- 過蓋咬合:噛み合わせが深い状態。上の前歯が下の前歯を過度に覆っている
- 正中離開:前歯の間に異常な隙間があること
- 交叉咬合:上下の歯列が正しく交錯せず、一部または全部が逆の位置になっている
- 正中の不一致:上下の前歯の中心がズレている
- 上下顎前突:上下の前歯が前に突き出ている
不正咬合を放置するリスク
不正咬合を放置すると、次のようなリスクが起こる可能性があります。
歯の寿命が短くなる
不正咬合は正しい位置で噛み合っていない歯がある状態です。過度な負担がかかっている部分があり、放置していると摩耗や損傷といったトラブルが起きる可能性が高いです。過度な負担がかかり続けることで、歯へのダメージが大きくなり、寿命が短くなる原因になります。
顎関節症を引き起こす
顎関節症とは、顎関節や関節を動かしている筋肉に痛みや動きの制限が生じる病気のことです。不正咬合の場合は不均等な顎の成長も多く、咬合のアンバランスさが長期化することで、顎の関節や筋肉にストレスがかかります。また、顎関節症が原因で以下のような症状が出ることがあります。
- 頭痛や腰痛
- 肩こり
- 咀嚼困難
発音の不明瞭
開咬や正中離開といった歯並びは、言葉の発音が不明瞭になりやすいです。発音する際に歯の隙間を埋めようと舌が出て、舌足らずのような話し方になることも少なくありません。
矯正治療のメリット
矯正治療には、次のようなメリットが考えられます。
コンプレックスの解消
歯並びがキレイになることで、コンプレックスが解消されます。口元を隠さず笑うことができ、自然と笑顔が増える傾向です。
咀嚼機能の向上
矯正治療で噛み合わせが正しい位置になると、咀嚼機能が向上します。前歯で麺類を噛み切ることや奥歯でしっかりと食べ物をすり潰すことが可能になります。その結果、食べ物が細かい状態で胃に運ばれるため、消化器官の負担が軽減されます。
発音改善
矯正治療で歯並びが整うと、唇が閉じやすくなりハッキリと発音できるようになります。また、歯と歯の間の隙間が大きいと空気が漏れて、明確に発音するのが難しくなりますが、歯並びが整うことで必要以上に空気が漏れることがありません。言葉をハッキリと発音できるようになると、自分への自信にも繋がります。
矯正治療のデメリット
矯正治療には、次のようなデメリットが考えられます。
費用が高額になりやすい
矯正治療は見た目の改善が目的になるため、自費診療が基本です。矯正治療の費用相場は600,000円〜1,500,000円になります。しかし、以下の条件に当てはまる場合には、保険治療で矯正が可能です。
- 先天性の異常があり噛み合わせが悪くなっている
- 顎変形症の診断を受け、外科処置が必要
- 永久歯萌出不全による噛み合わせの異常
上記のいずれかの条件を満たし、国に指定された医療機関での矯正治療は保険適応になります。
治療期間が長い
個人差はありますが、矯正治療は1年〜3年ほどの期間がかかります。矯正治療で1ヶ月で歯が動く距離は、0.3mm〜0.5mmになるためです。
食事制限がある
矯正治療は、装着で歯に力をかけて少しずつ動かしていきます。矯正中は歯が不安定になり、特に固い物を食べるのが難しい傾向です。また、矯正装置の種類によっては、外れたり壊れたりを防ぐために、固い食べ物や粘着性のある食べ物を控えるようにと指示されることがあります。
当院で行っている矯正治療の種類
当院では、以下の矯正装置を取り扱っています。
ワイヤー矯正(表側矯正)

表側矯正とは歯の表側にブラケットを付けた上にワイヤーを通して、引っ張りながら歯を整えていく治療法のことです。矯正治療の中でもスタンダードな治療法で、幅広い症例に対応できるのが特徴。表側矯正は金属のブラケットやワイヤーが一般的ですが、目立ちやすいです。しかし近年では、透明なプラスチックや白いセラミックのブラケット、白いワイヤーに変更することで、装置を目立ちにくくできます。
当院の矯正治療の流れ
カウンセリング・検査
問診でお話しを聞いて気になること、改善したい点などをしっかりと把握します。レントゲン写真を撮り、歯や骨格の状態を確認します。
治療計画のご提案
検査結果を基に治療方法や期間、費用などの治療計画をご提案します。患者様が治療内容に納得した場合のみ、治療を進めていきます。
治療開始
歯に矯正装置を付けていきます。装置装着完了後に、装置が付いた状態での歯磨きのやり方を指導します。
定期的な調整
表側矯正は、月に一度歯科医院に来院が必要です。この時に歯の動きの状態をみて、ワイヤーの太さや長さなどを調整します。
保定期間への移行
矯正治療の完了後は、歯が動きやすく後戻りしやすい状態です。そのため、矯正終了後はリテーナーという歯を固定する装置を使い、歯を安定させます。
メインテナンス
定期的なメインテナンスを行いながら、きれいな歯並びを維持します。